とあるイベントに参加するため、鯖江に行くことになった。
サンダーバードに乗るのはおよそ6年ぶりだ。
今、鯖江に向かう車中で5年前に京都に移り住んだことを反芻している。

当時(2010年10月)、まだ東京に住んでいた。
7月半ば〜9月半ばまで、フリーランス人生で最も苦しい仕事量で文字通り寝る間を惜しんで、というより寝るという選択肢がほぼ皆無。迫り来る締切とのプレッシャーに日々絶望と向き合ってた。
辛い2ヶ月をどうにか乗り切ったが心身共に疲れ果てる。
人間そこまで行くと出不精でも旅へと突き動かすらしい。
(今では考えられないが、それまで1泊以上の旅というものをほとんどしてこなかった)
たまたま仕事がなかったことも手伝い1ヶ月東京の家を空け、半月実家の愛知でゆっくりと過ごし、もう半月を京都-金沢-仙台という旅にでた。

これが人生初めてとなる京都だった。
東京にいる頃から「いつかは自然に囲まれた場所で暮らしたい」と考えていた。
しかし京都の街を歩いていると、鴨川や山々に囲まれた環境とある一定規模の街があるというバランスに、30代の独り身が自然だけの環境で暮らしていくにはすぐに飽いて挫折するだろうと気づいた。
思い立ったら動くのは早く、旅の最中たまたま良物件が見つかり仮契約するところまでに至った。
(結局、その物件は諦めることになったが京都にシフトする思いは固まり、少し時間はかかったが翌2011年9月に晴れて引っ越すこととなった)

そして旅は続き京都から、金沢へサンダーバードで向かうのであった。


以下、余談。

今でも印象深いのは旅最終日の仙台空港でのこと。
「今日で東京戻るけど、明日から仕事なにも決まってないな」と危機感と少しの安堵感を抱えながらぼーっとしていたら、一本の電話。
『明日から空いてる?』と前の会社の先輩から仕事の連絡が来た。
この瞬間、「僕は仕事に一生困らないんだろうな」と根拠のない自信が生まれ、京都に行くことによる仕事を失う不安は完全に消え去った。

京都での暮らしも5年経った。
もちろん東京での付き合いのあった会社はいくつも無くなったが、東京や京都、それ以外の地域との取引が生まれた。なんならトップダウン的な仕事から、こちらからもある程度は意見もできるような関係性ができて昔よりも精神衛生はすごくいい。

そして次は、上毛町へ。