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2022.03.05

肩書きが重要ではない世界で穏やかに暮らす

EXPERIMENT田舎で暮らす
INDEX
  1. 自慢や比較されるのに、ほとほと疲れていた。
  2. もしかして、楽かもしれない?
  3. 重要なのは、集落にとって良いヒトなのかどうか。
  4. 余談:最近の肩書き
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EXPERIMENT田舎で暮らす

今の集落に住もうと思った理由はいくつかあるけれど、今回はメンタル面に焦点を当てた話。

自慢や比較されるのに、ほとほと疲れていた。

親が褒めない人であった影響で承認欲求がなく、今までやってきたことが自分の中で満足しきっている(=自己肯定高い)ので、自己顕示欲もない。

全くといったら嘘になるだろうけど、承認欲求や自己顕示欲を出すことに異常に抵抗感があり、相手からのそれも嫌う。

ただ、苦労したことを達成したり、ずっと探してたものが手に入った時など感情そのものが動いた話などは身近な人に伝えたりはすることはある(こういうのも自己顕示欲なんだろうか?)。
合わせてそういうポジティブなことを聞くのは、こちらも嬉しくなるので好きだ。

今でこそ職業がIT関係であることや、ノマド/アドレスフリー/ワーケーションといった活動も割と世間でも認識されてきたけれど、2010年代前半はまだまだ少なかった。
僕自身は特に「これこそ新しい働き方!」みたいに鼻にかけることもなく、自分にとってただ楽しかったからやっていた。

相手の価値観を潰してくる人が苦手

東京時代にはそういった事を話する機会があっても、一つの働き方・暮らし方と理解・評価してくれる人が多かった。
しかし、東京を出てからは自分の何かを守りたいのか攻撃的・排他的な対応になったり、あるいは聞きもしない別のことでマウントを取ろうとする人との遭遇率が圧倒的に上がった(特に飲み屋とかで)。

そういう輩に疲れ、敏感になってしまったので、活動の深い部分については初見の人にはしなくなった。

もしかして、楽かもしれない?

初めて集落に訪れた頃、会う人たちからは当然のことながら何をやっているかを聞かれるので、触りだけ答えるも反応が鈍い。鈍いというのはいまいち何をしているのか分からなくてリアクションに困っている感じ。
ちょっとでも引っ掛かりがあればと有名なクライアントの名前を出してやっと、「なんか(自分にはよく分からないけど、)大層な仕事をしてるっぽい」程度に伝わる。
そして、それ以上は仕事のことは深くも聞かれず、生まれはどことかパーソナルなことについて聞いてくる(もちろん素性を探るという側面もあるだろうけど)。

『なんか、すごい楽だな』

上記の様に初見の人に対して「(批判的な)何か言われるかもしれない」という緊張感を抱えていたので、そこから解放された気がしてすごく嬉しかったのを今でも思い出す。

重要なのは、集落にとって良いヒトなのかどうか。

前述の様に有名な会社の仕事したとか、有名人と一緒になったとかという他人事はは彼らにとっては大したことではないし、関係ないのだ、
(本来は皆そうあるべきだと思うし、自分の中ですごいという事を満足していればいいわけで、そこに他者からの相対評価や「いいね」を求めすぎている)

あまり肩書きで評価されない

僕が何者であるかは素性さえ明らか・クリーンであれば大した問題ではなく、集落にとって何かしらのメリットもたらす人間であるか?という事が重要なのだ。
それに加えて「郷に入っては郷に従う」もやはり大切だ。
これは田舎とか関係なく、集団・組織として信頼のない時に自己主張されても、周りはやはり良い気はしない。たとえそれが正論であっても。

男性陣で水道設備のメンテナンスを行っている様子

実際に住み始め、1年目からムラの役(当番)を担ったり、集落内のシゴトにも積極的に加わっている。
また、田舎ならではの女性が片付けが当たり前の社会であっても一緒にやったり、ばーさんたちと出会ったら世間話するとか。
評価されたいとかはどうでもよく、お互いが不公平感を覚えることなくコミュニケーションが取りたいと思って行動をしている。

すでに5年以上住んでいるが集落の一員として認識される事を実感でき、穏やかに暮らせている。
欲しかった環境(コミュニケーション)が手に入ったのだと思う。

余談:最近の肩書き

都市で働いている頃は名刺の肩書を色々と装飾してたけれど、今となっては『ホームページ屋』にしている。

田舎の、特に年配層だと『Web』という言葉も通用しない場合があるので、プリミティブにした。案外この字面気に入ってるけれど、気をてらって逆張りした野郎と思われないかだけが心配だ(笑)。