街や都市で暮らしている頃、「田舎にはプライバシーがない」というフレーズをよく耳にした。

プライバシーがないというより、コミュニティの範囲が狭いということだと思う。
例えば、誰それが車を変えると翌日にはみんな知っている、みたいな。

そもそも、こういうことは特に田舎に限ったことではない。
主婦層で言えばマンションや団地近くでの公園など、子供たちにおいても学校という枠の中で情報は飛び交っている。
この捉え方で言えば、都市でも田舎でも”プライバシーがない”という意味では大差ないと思う。
要はこれが気持ち悪いかどうかの価値観は、都市か田舎で違ってくるだけではないだろうか。

差があるとすれば、知らない人にまで自分の(起こした)ことが知られてしまいやすいということ。
集落くらいの狭さだと皆知り合いなので、そもそも知られるのが当たり前みたいな(半ば諦めも含んだ)前提がある。
マンションだと知らない人にまで自分の(起こした)ことが知られてしまう。
どちらが嫌かは人それぞれだと思う。
そもそも知られたくないことを漏らさないように気をつけるのは都市でも田舎でも同じだ。

今の集落に移ってから半年余り。
プライバシーがない(?)くらい密接だと息苦しさもたまにはあるけど、メリットもある。
皆が知り合いなため、セキュリティが担保される。
知らない人(車)に対して来ると目立つため、「誰か来た」と身構えるといったように。

個人的な解釈だが、集落というのは貧しい時代に自分たちの土地を求め集団で辺境の地を開拓している文脈があって、支え合わないと生き残っていけないので団結力が強かった。そこで自分勝手な行動を起こすと全体に多大な影響を及ぼす可能性もあり、そういう人間に対しては今でいう「村八分」にされてコミュニティから外されてしまう。

その名残が土地によっては有り狭いところだからこそ支え合わないといけなく、集会や催しなどは極力参加しないと、ハブられる(村八分)という事象はたまに耳にする。
都市でマンション暮らしをしていると町内会とかと疎遠になりがちなので、その感覚で田舎にくるとその距離感の違いにやられてしまうことがある。

田舎暮らしに憧れている人は、田舎の人々が無条件に温かいという幻想を抱いて突然引っ越すのではなく何度も通い交流し、そこの人々と暮らせるか相性のリサーチすべきだと思う。
僕は住むまでに結果として4年通うことになったが、健全な積立てだったなと今では思う。

 
まだ田舎で暮らすということの研究を始めて半年余り。
あくまでも都市から田舎への移行段階までの考察のため、今後は少しずつ変わっていくと思う。